石川県のサイバー捜査官の試験を受けてみた

地元地方警察の試験に try してきた。ほんとは愛知県のを受けてみようかと思ったのだけど、調べてみたら地元でもやってたので。
ネット民の中には地方警察のサイバー捜査官の試験受ける方も多そうなので参考になればいいと思う。
とはいえ、ただの公務員試験だよなぁ。普段、きっちり有酸素運動してない人にはかなりハードな体力検査つきの。数年ぶりにジョギング始めるかな。

最初に結果を書いておくと一次試験で不合格だった。

数年前の警視庁の問題は書いている方がいらっしゃる。

http://lucentcrafts.blog.fc2.com/category5-1.html

こういう問題が出るのかなーと思って受けにいったのだけど、まったく出なかった。
そもそも、地方警察と警視庁の特別捜査官とではまるで要求水準が異なるのかもしれない。
警察のネットワークから切り離されたタコ部屋におしこめられて、一昔前のパソコン使って何がしかをやらせるつもりなのかも。

体力検査は行ってみると高校生がうようよいて眩しかった。
地方サイバー捜査官の試験体験記みたいなのは見当たらないけど、あれ見てしまうとこういう記事を書く気なくなるのかもなぁ。
高校生の受験者(学校の体操服きてる)は感覚がかなり違うからか、近くにいるとおっさんになったのだと嫌でも実感させられる。これはほんと辛い。

受験当日 (一日目)

思ったより人数いて 9 人応募してて試験は 8 人受験してた。日曜が試験日で、私服とスーツが半々ぐらいかな。私は私服。
一次試験は二日に分かれていて、一日目は大体 4 種類の筆記試験。一般教養、作文、適性検査、専門知識。

一般教養 (120 分 配点 100)

たぶん普通の公務員試験の問題。

記憶に残る、特徴的な問題が出題されてた。
若年労働者の失業率が問題となっているが、その分高齢労働者の雇用は維持されてる(ので、特に騒ぎ立てる必要はない)といった趣旨の文章を読解させる問題。
石川、富山あたりに通じる老頭児中心の保守思想を垣間見た心境。

作文 (60 分 配点 100)

作文のお題は漠然としてて「警察官になってあなたの知識、経験をどのように役立てたいか」みたいな問題だった。
600 字か 800 字だったかな。

適性検査 (30 分 配点 ??)

「内田クレペリン精神検査」というのをやった。すごくハード。これは二度とやりたくない。。
普段ペンをめったに持たないので大量の数字を書くだけで指が痛くなる。

専門知識 (120 分 配点 200)

確か 50 問

適性検査で疲れた直後だったからか難しく感じたけど、考えてみたらそうでもなくて M/M/1 の問題とか、思い出すのに時間のかかる問題が数問あっただけで難易度は高度情報処理試験未満。選択問題ばかりなので 10 年ぐらい前に受けた基本情報と同じぐらいだろうと思った。*1

オープンソースのソフト Apache, Bind, Courier とかいう単語も出てきた。
情報処理試験でもこういう具体的なソフト名は出てくるんだっけか?難易度は低いが、ちょっと意外な出題だった。こういう感じの問題

DNS, MTA, Web それぞれのサーバと OSS の対応で正しいものを選べ。
OSS の選択肢は Bind, Courier, Apache

Bind の設定ファイルっぽい問題。 [] に当てはまるものを選択肢から選べ。
a: ns.example.co.jp b: ns.example.co.jp. c: example.co.jp d: example.co.jp.

$ORIGIN []

....

何年も前にいじった Bind を思い出しながら d を選んだ。はず。

その他の小問:
10.0.5.63/25 のネットワークアドレスはどれか。
不正アクセス禁止法に違反する行為はどれか。選択肢覚えてないけど間違えたはず。。
私にはまったく意味不明だったけどシステム監査に関する問題。
論理回路の問題。論理回路記号に関する説明はない。
unicode は世界中の文字を 2 byte で表現する文字コード or ascii は制御文字、表示文字、空白文字からなる文字コード といった選択問題。

情報処理試験の午後問のような趣きの大問がたしか 3 問出てた。

ネットワーク内の PC がウィルスに侵された。どうやって PC を特定するか。出題にそっていろいろ対処していく感じ。
選択肢が用意されてて、特に間違えようがない感じ。

簡単な疑似プログラムの穴埋めをしていく問題。選択肢が用意されてるので楽。
ループで i を 0 からスタートさせて終了条件として hoge.size - 1 までか hoge.size までか、とかをひたすら選択肢から選ばせる。
ひっかけがなければ簡単に解けてると思う。

ロードバランサの問題。二重化された Internet 側からのアクセスをロードバランサで振り分けする感じの問題群。
ソース IP アドレスを書き換えるってなってたけど、こんなことする必要あるんだっけ??
TCP コネクション用のテーブルは持ってるんだろうから必要ないような。
と、いろいろよくわからなかったのだけど、選択肢をみてると他に答えようがないものばかりなので多分だいたい正答してるのだろう。

体力検査 (筆記試験から 1 週間ぐらいのち)

シャトルラン、腕立て伏せ、腹筋、反復横飛び
周りで見えた限りではサイバー捜査官受験者のみなさんは全員ポンコツでしたね(笑)
私もシャトルラン 57 ぐらいで目がチカチカして死ぬかと思った。大学のときなら Max までいけたかなぁ。

腕立て伏せ 33(?) 回, 腹筋 22(?) 回 反復横飛び 数えるの忘れてた。。シャトルラン 58 ぐらい
↑警察学校の生徒と覚しき面々が数えてくれるのだけど教えてくれないみたい。

ちなみにサイバー捜査官以外の区分の採用枠もみな体力検査の内容は同じ模様。
20 前後の若い連中だけど、それでも最高回数までこなせる人間は多くない。

結果

先に書いた通り不合格。

そして昼間に県警の近くに行ったときに筆記試験の点数、および全体順位を聞いてきた。

一般教養: 72/100 専門知識: 170/200 作文: 46/100 で、8 人中 5 位。

作文以外の点数は終わったときの手応えとほぼ一致している。
作文は遠隔操作ウィルス事件のことに触れたのがお気に召さなかったのかもしれない。
警察の調書みたいにほんとのこと書かないでそれらしいストーリーを適当に埋めておけばよかったのだろうか。

というわけで一番楽しみにしてた面接はなし。
あの様子では技術系の質問なんてまずされないだろうけど、「○○言語の経験年数」とかは、聞かれそうな気はした。質問しやすいからね。
この採用で採れる人は SI 系の業者で何年か仕事してた、ネットと親和性の低いタイプの「エンジニア」ではないだろうか。

*1:ただし、情報処理試験よりさらに古めかしい問題