林業就業支援講習というのを受けてみた

就業するかどうかはともかく、気分転換と他職種体験がしたくて石川県森林組合連合で開催していたものを一ヶ月ほど受けてみた。

座学は事前に調べてたことばかりでどうでもよかったのだけど、実地講習なるもので山で草刈りするとどうなるかとか、木を伐るとどうなるのかとかやってみると予想通りなかなか楽しい。
斜面を登るのや斜面の草を刈るのは、なかなかに爽快で癖になりそうな気はする。
出会った危険で重労働な現場作業をしている人達はほとんどが、いわゆる契約社員みたい。
楽しいとか言ったけど、伐木なんかはかなり危険な作業なことが少し様子をみただけでもよくわかる。
木が倒れてくるのを逃げるための足場も悪いし、足腰に自信がない人は絶対にやらない方がいい。
まだうまくチェーンソーを扱えなかったけど、木を 20,30 ぐらい伐っていればじきに慣れていくだろうな。
オフィスを歩きまわるより危険な仕事ではあるけど、少なくとも難しい仕事ではない。

そして、人生で初めてテレビ (NHK) のインタビューなるものを受けた。
インタビューってこんな感じかなーと思いながら、思いついたことを漠然と応えておいた。こちらもなかなか良い経験になった。

石川県森林組合連合の事務仕事している部屋を覗いてみるとデスクでパソコン仕事している人達はご年配の方々が多い。
ちゃんとパソコンは使えているのかな?そこまで調べられればベストだったのだけど、部屋の中には入る機会がなかった。

林業試験場の人もパンフレットをたくさん携えてやってきてた。講習(?)はかなりおざなりだったな。パンフレットの中身を読み上げるだけ。
脇の甘い発言しているお馬鹿さんもいて
林業試験場の人「最近変わった人もいて、農薬を撒いてるとクレームつけてくる人もいる」
誰が何撒いてるのかわからんのだから心配するの当然だよね。こんなことを内心考えてるんだからクレームつくのも当然だわな。

そして最終日の就職相談面接。これが一番ひどかった。
冒頭はまさに圧迫面接の類。別に本番の面接でもないのに何が目的なんだ?


面接官「君は3○歳か。この年じゃ公務員にもなれねーな。ほんとに林業やりたいの?ん?」
私 (ニコニコ)


面接官「この仕事は、6:00 ごろ起きてチェーンソーとか水分担いで山に上がって 17:00 頃下山とかしないといけないよ?大丈夫なの?」
私「給料出てるのなら大丈夫でしょう。登山はしますし。」
面接官「チェーンソー持って上がったことあるのか?」


面接官「20 代の人間が欲しいんだよ」
私「20 代の方の離職率はどれぐらいですか?」
面接官「20 代採用したことない」


面接官「君がやったような実地講習ぐらいなんかは楽なもんだよ。時間短いから。」
私「実地講習のときに草刈機を一日に合計 3,4 時間ほど動かしてましたけど、あれが 6 時間や 7 時間になっても大して変わらんでしょうね。体力ある人ならそんなに辛くないですよ。」
面接官「」


その他、講習の中で出てきた GPSQR コードのことを話してみたけどなんだか頓珍漢なことを言っていて説明してみたのだけど分からなかったみたい。
やらない理由を探す人に説明するのは難しい。できることから少しずつやっていけばいいのにね。

それから、都合のいい情報だけ適当に並べてる感が満載だったな。話の雰囲気や彼が話す態度なんかは文章では表現しきれないのが残念。
関係ない話をいきなりはじめたり、話の最中に割り込んできてこちらに話をさせないような会話。これで面談って言えるの?
就業相談などといいつつ、ホームページのリンク集を印刷した紙を一枚渡されただけ。そんなものなんの意味があるんだ?
講習参加者には修了後に「緑の雇用」によって石川県森林組合に雇用されると誤認させる説明をしていたような気がする。
私はこの説明をしていた回に参加していないから又聞きなのだよな。

この面接官は定年退職した後、再雇用されたという男性。この就業支援講習でボスをやっていたみたい。奥能登出身のようだけどもしかしたら山地に土地をもってるのかな?
この方、NHK の取材が終わるまで猫を被っていて NHK がいるときは特に丁寧な言葉遣い。
就業支援と銘打っていたけど就業はしてほしくなさそうに思える。ほんとに何が目的なのだろう?
話を聞いていると他に面談を受けてた方達にも似たような感じで、最後の面談だけこれまでと豹変したような態度だったらしい。
年配の森林組合の人達と話していて感じるのは傲慢さ。天下り地帯らしいし、さらに補助金助成金まみれになってるのに。
この方、最後は私を含めて講習参加者の会釈に応えることもなく目も合わせずに去っていきましたとさ。
森林組合なんぞさっさと補助金助成金も打ち切って、一旦潰してしまえ。

この講習の意味合いってのもよくわからない。先に書いているように林業に人を入れようとしているようには見えないのだよね。
いくつか、簡単な資格がとれるというのが肝なのかもしれないけど、組合にとってのメリットは?おそらくは受講した人数分国からお金が受け取れることだろうとは思う。
森林を守る、国土を守るという建前を本音に仕事している人がそれほどいるとも思えないから、新しく人が入ってこなくても採算ベースで元がとれれば充分だと捉えているとか?
あの広大な山林地の下草刈りとか大変だろうし、とてもとても組合所属のメンバーだけで処理できるとは思えない。んーどうやって捌いているのだろう。
地元の山歩きを続けてしばらく様子みていくかな。運動にもなるし。

推測してみる。
森林管理の仕事は森林組合が国や県から一括して請けることができる。
組合で捌けない分は下請けに回す。
これまでの下請けの林業事業者は、林業だけでやってけないから、ほとんどごっそり潰れている。
現在では仕事にあぶれてる建築土木関係の業者から電気工事の業者から色々と林業に参入してきているみたい。
草刈ったり、木を切ったりする仕事、体力仕事なんて言ってる人も多いけど、実はそうでもない。
汗はかくけど足腰強ければ持久力もそんなに必要ない感じだった。
蜂さされとか枝にひっかかれて生傷つくってもあんまり気にしない、あるいは従業員に知識がなくて泣き寝入りする系の業者なら仕事を捌くのに苦労しない、というところかな?

最近、肉体労働な仕事の面接を、学生時代以来、いくつかしてみて再び感じること。
IT 企業も含めてそう思うのだけど、北陸企業はとにかく同調圧力に屈する人間か否かをひたすら試してくる感じがする。
しつこく家族構成を聞こうとするのもそれの一環なのかもしれない。
そういうのをコミュ力と表現している感じかなぁ。