津幡町の特産品おまん小豆にまつわる伝承

# この題名のせいで BAN されたりしないだろうな。。

たまたま目にした北國新聞 2015-11-17 付の記事に不気味な話が載っていた。
おまん小豆という津幡町の名産品があって、名前のせいでちょっと前に全国でも話題になってた記憶がある。
私はこの伝承も特産品のことも全然知らなかったのだけど、この日の記事は読んでたら背筋が寒くなった。

普段はこんな記事は書かないのだけど、ネットに放流したい気分になったので記事の一部を文字起こししておく。
記事内の一般人の実名は伏せ字にするが、記者の名前はそのままにしておく。
北國新聞が嫌いなことは最初に言っておくけど、当該記事に出てくる人物については批判する意図はまったくない。

対外的な伝承は以下の通りらしい。(当該記事より引用)

津幡町の観光資料によると、「おまん伝説」は藩政期、西砺波郡埴生村(現小矢部市)でたびたび決壊するため池「埴生大池」を治めるため、埴生村大字綾子村の村役、八十嶋家で働いていた娘おまんが志願して人柱になったと伝わる。家族や八十嶋家の主人らが止めても、おまんの決心は固く、村人が涙を流す中、池の底に埋められたという。

記事の主題はこちら。津幡町は石川県、小矢部市富山県
県境をまたいで隣り合っていて、現在では道路も整備されて交通の便は良い。

津幡町では水害から村を守るため、すすんで身をささげた少女の美談として伝わるが、小矢部市では無理やり人柱にした悲話となっている。一つの物語が県境をまたいで異なる内容になった謎を追った。(谷内俊介)

この商品の特産化を進めた方は特産化を進めるに当たり、おまんに関する資料を集めたらしい。

資料によると、大池を氾濫させていたのは池の主である大蛇だ。村人に少女を差し出したら池を荒らさないと告げ、村人が必死で探したところ、見つかったのはおまんだけだった。八十嶋家で働いていたのはおまんではなく、おまんの母親で、村人はおまんの手足を縛って人柱にしたという。
○○さんは「年貢の取り立てが厳しかった八十嶋家を悪く思う人が、当て付けで悲話にしたのかもしれない」と津幡の内容の方が真実なのではと推測する。


嫌われるほど取り立てが厳しい村役が使用人の娘を人柱にするぐらいのことを、ためらったりするだろうか?
そもそもの伝承によると池の底に埋めたことになっていて、埋めた人がいるわけだから、志願するのを止めたというところが嘘ではないだろうか?


迷信の強い時代にこういった悲話があることは仕方のないことだけど、それを改竄して美談にしたということであれば、年端もいかない若者に事実上、強制させた神風特攻を、志願制だったということにして美談化した話がオーバーラップする。
それを考えてこの記事を読むと身の毛がよだつほどに恐ろしい。


北國新聞は地方の産経と呼ぶ人もいるぐらい保守色の強い論調の新聞だけど、この新聞記事は中立の内容といえるもので読んだ人に判断を委ねているようにも読める。
これを読んだ人はどう捉えたのかな。