悪人 (ネタバレあり)
感想
もう旬を過ぎていましたが、何かの賞を取ったという情報を見かけたので、公開が終わる前に観てきました。
面白かったです。『告白』と同じようにカタルシスがあります。神戸連続児童殺傷事件にも思いを馳せてしまいました。マスコミや野次馬は殺人犯もその家族も特殊な人間であるという仮面を被せて自分達は相対的に善人ということにしているのかもしれませんね。誰が悪人かよく分からないところにカタルシスを感じているのでしょうか。こういう感覚は映画を最初に観てから時間が経つとあっという間に色褪せてしまいます。
邦画は昔からあまり好きではないのですが、観終わった後にこういう感覚が得られる映画は邦画しかないかもしれないです。嫌われ松子、告白、羅生門。あとはなんだろう。洋画では AI を観たときに感じたものと近いですが、違う。。むしろイングロリアスバスターズが近いかもしれません。人生のような不条理感が表れてます。
映画の中にある地方都市の風景が自分の地方の様子と重なります。10 年前からほとんど変化がない。ほんと、人生の一部だけでもこういう農村部から離れて暮らせてよかったと思います。
ちょっと無理矢理なシーンも散見しましたけどね。どんな映画でも同じですけど、物語の転換点に当たる激しいシーンは、大体やや無茶な展開を見せます。殺された保険屋女性、佳乃の性格は、いくら車から投げ捨てられた直後とはいっても、ないだろうと思いました。映画を観ている最中は気分が高揚しているのであまり気付きません。
物語最後の解釈は観る人に委ねたんだと思ってます。もう一回観てみると今の自分の解釈とは別の解釈ができそうです。
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