某大企業でのお仕事

前になんとなく書いて塩漬にしてた記事をふと up したくなった。

だいぶ前に某大企業に派遣で行ってたとき 500 枚ぐらいの印刷物をどんと机の上に置かれて、「これがうちのライブラリ仕様だから。読みながらやって。」 と某企業の窓口になってる人に言われた。
なんで電子媒体じゃないんだろうと疑問に思いながらも仕方がないのでページめくりながら探しては、閉じてからプログラムを書くって作業を繰り返していた。
机が狭いのでキーボードの前にその仕様書を置いてめくらないといけない。
開いたままだとキーボード使いづらいし、隣の人の邪魔になるから左手側で開きながらってわけにもいかないので、一通り読んだらしおりを挟んで閉じて横に置いてキーボードを打つって作業を繰り返してた。
関数に 0 とか 1 とかの謎の引数が多くて人のプログラムをただ読んでてもまったく意味が分からないし、そもそもドキュメント読んでも意味がわからない。
英文内の単語をひろって直訳したような感じの文章だった気がする。


そういう作業をしばらく我慢して続けてから、最初に資料を渡してくれた人に質問しに行った。

俺「この資料の電子媒体ってないんですか?」

担当SE「何?電子媒体って?」

俺「この紙の資料の大元になってる資料です。Word か Powerpoint じゃないかと思うんですが。」

担当SE「ないよ。そんなこと考えなくていい。」

俺 (ない?考えなくていい?)

俺「では、この資料を検索するシステムとかないですか?」

俺 (Namazu とか言ってみてもどうやら分からなさそう)

担当SE「……」

俺「紙の資料をめくりながら探すのは効率が悪いので、資料の中を検索したくなるんですよ。」

担当SE「いや、効率悪くない。そんなことしたくならないよ。」

俺「………… orz」


最後の担当SEの一言、あちらの方にとってはおそらく記憶の片隅にも残っていないだろうけど、俺にとっては今も鮮明に耳の奥底に残っている。
激しい衝撃を受けたのは、まだ仕事を始めたばかりの頃で初心(うぶ)だったためだろう。今ももちろん似たようなことがあるけど全然驚かない。
後から話を聞いてみるとその担当SEは同じプロジェクトに 10 年ぐらいいるので、どんなライブラリ関数があって、資料のどこら辺にどんな事が書いてあるか頭に入っているらしい。
ISO のなんとかを取得している企業で、作業の属人性を低くするために資料化してあるんだって言ってた。
こういう方法だと、新しく入ってくる人の効率が極端に悪いので、長い間いる人の生産性が相対的に高く見えちゃう。
もちろん狙ってやってるわけじゃないんだろう。長い期間熟成された天然物というやつだ。


その前の年に入ってた別のプロジェクトでは Namazu サーバも構築してあって Excel ファイルも検索できてた。
ただ、周りの人は誰も使っていなかったように見えた。で、Excel 原稿用紙を一枚一枚開いては資料探ししてた。
たぶん、あれが日常だったら疑問にも思わないのだろう。

あの某プロジェクト、今は WDS ぐらいは使ってるんだろうか。
その製品のサイトをみても当時とあまり変わり映えがしないけど、社内の体制が変わってソフトウェアのこと詳しい人が増えているといいな。

ちなみに、電子媒体はしばらく(半年ぐらい?)してから発見した。word でも powerpoint でも excel 原稿用紙ですらないやつで作ってあったよ。。
ソフトの名前書くとどこのことかバレるから書かない。