レ・ミゼラブルの民衆の歌
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映画みてるときにどこかで聞いたことあるようなないような、でもこれ、ラ・マルセイエーズじゃないよなーと思いながら聞いてた。
相当、有名な曲みたいだからきっと聞いたことあったのだろうな。
どこか耳に残った旋律と力強さ、レ・ミゼラブルの重々しいストーリーと重なることで、映画を観た後はちょっと聞いただけで聞き分けられるようになった。
その歌を NHK の歌謡ショーで StarS というグループが日本語で歌っていたのを聞いたので、ちょっと調べてみた。
この歌、いくつもの国の言葉に翻訳されてるらしい。
歌詞は、元々はフランス語だろう。*1フランス語から英語に訳された過程では、訳された単語が落ちてない気がしたのだけど、実はそうでもないらしい。
http://foggykaoru.exblog.jp/19123004
英語版も日本語版も元のとかなり違うみたいだなぁ。個人的には英語版に訳されたのが一番好き。
しかし、これよく読むとフランス語から日本語に訳されたのではなく、英語に一旦訳されたものが日本語に訳されてるように見える。
この辺の歌詞なんかが特に。
When the beating of your heart Echoes the beating of the drums There is a life about to start When tomorrow comes!
鼓動があのドラムと響き合えば 新たに熱い命が始まる 明日が来た時 そうさ明日が
「進歩」とか「畑」などの農民を示す大事な用語は落ちてるのにドラムとか明日とかの用語はしっかり付合してる。
ほぼ間違いないだろ。
↑の動画中で
Who will not be slaves again!
↑のところは強調して歌っていたからはっきり聞き取れたんだけど、これ↓聞くと日本語には訳されていないっぽい。
上の動画は 2012 年のミュージカル映画のプロモーションに作られたみたいだけど、歌詞(訳詞)自体はそれより昔からある伝統的なものみたい。
屍越えて拓け明日のフランス!
でフランスって国の名前も出てるのに「奴隷」って言葉が訳されてないのはどうも不自然に感じる。
言葉の持つ負の意味から語呂がどれだけ悪くても意地でも訳したくなる。
日本語訳されたのはきっとかなり前なのだろうけど、どうしてでしょうね。
http://cafecentral.tea-nifty.com/wien/2005/04/love_f923.html
そもそも、レ・ミゼラブルは小説なのに、この『民衆の歌』ってのはどこで産まれたものなのか。それも調べてたけどいまいちわからない。
これみるとフランスで上映、その後で英語圏で上映して大ヒットしたと思える。どこでこの歌が挿入歌になったのだろう?
ここで岩谷時子さんが訳詞をしてるらしいから、この時点で英語から日本語へ訳されたのかな?
日本公演が 1987 年だからこの頃の訳なら言葉狩りで「奴隷」が省かれたということもなさそう。
『蛍の光』の元の歌のことを調べたときも驚いたものだけど、歌詞ってものは訳されるとまったくの別物になっていくのかもしれない。『蛍の光』のはまた別格だったけど。
なんでこんなにしつこく調べてたかというと、戦前の検閲下での訳詞が今も流通してるのならもったいないなーと思ったから。
でも、上の仮説が正しいなら、ただ単に語呂が悪いから省かれただけだな。
slave を「社畜」と絡めて訳してあったら、多くの日本人を煽動できて面白そうだと思ったりもした。
日本語版、やたらと繰り返しが多いのでどこかに入れることはできたんでないかな。
いろいろ調べてるとまた興味が湧いてきた。レ・ミゼラブルは昔読もうとして挫折した記憶があるのだけど、もう一度チャレンジしてみたい。
映画もはやくレンタルでもう一度みたい。それから、アンハサウェイはまじ天使。
- 作者: ユゴー,佐藤朔
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*1:違うかも。後述する。